インドネシア バリ島に来ています。
バリとはすでに20年来のお付き合い。今年は出会って20年目のアニバーサリーイヤーですw
バリは私にとって本当にシンデレラフィットで、ここに来ると身体の調子がすこぶるよくなる。土地のエネルギーが本当に合うの。いるだけで元気になれる場所。
初めてスキューバダイビングの免許を取ったのもバリ。それからかれこれ20年くらいインドネシアの海で潜っています。
今回は仕事で、海で遊ぶ時間はないんだけど(涙)でもバリの海もどんどん汚れて、最近はバリで潜りたいとは思わなくなった。もっと東インドネシアの島々へ、どうせなら足を伸ばしたい。例えば、イリヤンジャヤと昔呼ばれた、西パプアのラジャアンパット(Raja Ampat)。たぶん、世界でもまだまだ秘境と言われる部類に属するところ。
数年前のクリスマス、ここにダイビングをしにきました。首都ジャカルタから飛行機を乗り継いで丸一日、そこからボート。さすが秘境。遠かった。でも、たぶん世界有数のサンゴでしょうね。本当に凄かった。
と、前書きが長くなったけど、私が語りたいのはそのことじゃなくて。(笑)
そのダイビングの3日目、一本目のダイブで実は危うく死にかけたんです。酸素タンクのスクリューをちゃんと(開)に回していなかった。(バカな私)なので、潜って7m近辺で急に酸素が出なくなったの。吸い込んでも酸素が供給されない。
一瞬で私の脳は
「死」
を感じるわけです。
それでも、なんとかパニックにならず、幸運にも私の目の前にいてくれたダイブマスターに身振りで酸素切れを伝え、彼のスペアのオクトパス(口に入れるやつ)をもらい、なんとか生き延びたんです。ほんの数秒の出来事です。でもあの彼は一生の恩人 🙏
もうダイビングどころではなく、すぐ船にもどりました。
船に戻って、ちょっと落ち着いて自分の身体を観察してみると、身体の中心の大腰筋はカチカチに固まり、手足は氷のように冷たくて、ほぼ感覚がない。呼吸は浅く、全く吸い込めない。まぁいわゆる軽いショックトラウマの状態でした。
死を覚悟した動物がなる状態といえばわかりやすいかも。(半仮死状態)
マインドではもう大丈夫ってわかっていても、身体はもう死ぬ気満々(笑)
船長が「次のダイブサイトまであと30分!」と叫び、私は「いや無理!」とさすがに思いました。
でもね、はい、さすがT R Eですよ。私の身体が勝手に震え始めました。次のサイトまでの20分ほど、船の上でひとりプルプル震えていました。だんだん落ち着いてきて、呼吸が深く入るようになり、腰回りの緊張も溶けてきた。
急激に上がった交感神経(&わかる人だけにいうと、背側迷走神経フリーズ)から、スーッと副交感神経(フリーズ解除&腹側迷走神経ON)に自分が戻っていくのがわかりました。
で、もう大丈夫と思い、2本目のダイブを始めたのですが、そこからが凄かった。
見える海の景色が今までとまったく違ったんです。
今まで、いつも私の目には大きいものしか見えなかったんです。マンタとかサメとかカメとか大きな魚ばかり。(きっといつも緊張してたんだね)
でもその時は、今まで存在していることにすら気づかなかった
「小さきものの存在」
が圧倒的な色彩で目に飛び込んできました。
爪の先ほどしかないような、毛ほどしかない極彩色のエビたちが、私の指に向かって挑んでくるんです。
この大きな人間の私に挑んでくるんですよ!この者の存在なんて、一瞬で消されてしまうのに。それでも「生」をかけて挑んでくるんです。本能と言ってしまえばそれまでなんですが、そこに私は
「神の意思」
を感じたんです。(大袈裟に聞こえるのは百も承知で言いますが・笑)
すべてのものを創造した意識。どんなに小さくて、どんなに無意味に見える存在にもすべて平等に「生」と「命」を与えた存在。
それにすごく感動して、その小さなものたちの命に繋がれた経験は私にとって「神秘体験」でした。神につながった経験と言いますか。
これって、このように言葉にするとすごーく陳腐に聞こえていやなのね。でもね、本当にすごいリアリティだったんです。
THE 神 体験
これとT R Eがどんな風に繋がっているかというとね、さっき言った副交感神経(腹側迷走神経)が関係してると思うんです。
ダイブが終わって、私のタンクをチェックしたインストラクターがびっくりしていました。私の酸素消費量がいつもの半分だったんです。50分ほどのダイブでいつも9割使うのに、その時は5割ちょっとしか使っていなかった。
映画「グランブルー」で有名なジャック・マヨールはフリーダイビングの前に必ず瞑想をしていたそうです。優れた瞑想者は、短時間の瞑想で自分の神経系をこの副交感神経優勢にすることができます。呼吸はゆっくりととても深くなる。フリーダイビングで100mを超えた彼は、試合直前のヨガと瞑想で身体の状態を究極にリラックスさせて、最低限の酸素でも大丈夫な状態に持っていっていたようです。(これで私の酸素の消費量も理解できる)
ちなみに腹側迷走神経は、人間と哺乳類のみが持つ神経です。「つながり」とそれによる安心感をもたらす神経と言われています。
私がリラックスして呼吸が遅くなっただけではなく、視野が広がり、今まで目にも入らなかった生き物たちとの「生なる」絶大なつながりを感じたのも、もしかしたらこの腹側迷走神経のおかげかもしれません。
TRE創始者のバーセリー博士が、究極な(生死を彷徨うような)トラウマ体験から生還した人たちは、直後によく神秘体験をすると言っていたことを思い出しました。私の「死」の予感はほんの一瞬でしたが、それでも脳は一回「死ぬ」と思ったはず、そこから一気にT R Eで生還したために、あんな素晴らしい神秘体験をプレゼントされた。本当にトラウマも受け取り方によってはギフトになり得るということがわかりました。
「迷走神経」実はとんでもなくすごいんですよ。また別の機会にお話ししますね。
今日は長くなりました。お付き合いありがとうございました。
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